どうも、大好きなキャラを仮構するSoitanです。今回も香澄と沙綾の似た者同士のキャラについての話です。
前回の記事↓
2期11話の解釈
2期11話のおたえ騒動に対する香澄と沙綾の反応は、ポピパを理解する上で重要な行動だったのではないかと感じます。
おたえは初めからポピパを去るつもりはなく、むしろ振り回された側ですが、そうしたおたえの気持ちを一番汲み取ってあげていたのがりみだと思います。
りみは、さーかすありの「おたえはRASに参加していた方が幸せな将来を過ごせるのではないか?」という考えに同意しつつも、おたえのポピパに対する気持ちを理解していました。一方、上記の考えに固執していたのがさーかすありで、この3人はReturnsの弾き語りでようやくおたえの気持ちを理解します。*1
有咲は、上記の考えが間違っていたことをあっさりと認めているので、「わからなかった」→「わかった」の流れで自然です。
ところが、沙綾は“RASに行かないでと伝えることがワガママだと思ったから黙っていた”と吐露しているんですよね。その後、伝説的な名台詞、
沙綾「おたえ、行かないで」
引用: BanG Dream! 2nd Season 11話より
でオタクは全ての感情が爆発してしまうので、脳が思考停止してしまわないように注意しつつこの話の流れを整理します。
沙綾は「私はおたえがRASに行ってほしくないが、おたえが行きたいと思うのであれば止めなかった」と語っているという中々残酷な考え方です。
香澄も香澄で残酷すぎます。
おたえ「わからなくて。ポピパを辞めるなんて考えたことなかった。でもちゃんと考えてって」
香澄「みんなおたえのこと考えてるんだよ。おたえが大事だから」
おたえ「大事?」
香澄「うん。RASのライブ、本当にすごかった。すごくかっこよくて、あんなおたえ見たことなかったから。ちょっとびっくりしちゃった」
香澄「だから、そういう未来もあるんだろうなって」
香澄「でもね。ポピパはポピパだよ。おたえとりみりん、さーやと有咲と私。昼休みだって、放課後だって会えるし、いつだって一緒に弾ける。おたえはポピパ」
引用: BanG Dream! 2nd Season 11話より
おたえと香澄で考え方が全く噛み合っていない象徴的な会話です。*2
そもそもおたえはRASに練習に行ってるだけであり、サポート期間が終わったので帰ろうとしただけなのですが、なぜかみんなが受け入れてくれない。まるでRASに行ってしまえと言われているようで相当な疎外感を感じたでしょう。その不信感が台詞にあらわれています。
一方香澄は、そうしたおたえの不信感から全てを察し、“あっ…”と一呼吸置いた後、おたえが大事だからみんな考えているんだよと説明しています。そしてRASのライブでのおたえの演奏を評価します。
その後の台詞は解釈が分かれるところだと思いますが、自分の解釈としては、香澄は「おたえの音楽の才能を伸ばすためにはRASに入ることが正しい選択だと考え、そうした未来があることを肯定し、またポピパとして活動してきた歴史も肯定する。ポピパとして活動しなくても永久におたえはポピパの一員であることを認め、涙を見せずに送り出し」たかったのではないかと考えました。
これが、他者に対する働きかけが得意な香澄が、2年生になり“ポピパの仲間の気持ちを汲み取れるようになった”成長を通して導き出された答えだと思うと、こんなにも辛いことはありません。
そしてSTAR BEAT~ホシノコドウ~は昨日の自分にサヨナラをするための歌です。ポピパの枠に囚われ、RASに加入する一歩を踏み出せないおたえに対する応援歌として歌ったのだと思うと、余りにも悲しい歌です。
だからこそ、こうした意見の対立を収めるためには、おたえは自分の気持ちを歌に込めるしかなかった。なぜなら、ポピパとは自分の気持ちを歌に込めることで互いの気持ちを理解しキズナを紡いできたバンドだからです。
香澄と沙綾が似た者同士な話
ここまでが2期11話に対する個人的な解釈ですが、ここで香澄と沙綾に焦点を当てたいと思います。
2人とも自分の考えが正しいことだと信じて疑わず、臆病でそして自己犠牲的なところがあると考えられます。
有咲は単純におたえの気持ちが分からないから悩んでいたという感じですが、沙綾と香澄は、おたえはRASにいた方がいいんじゃないかと覚悟していた点が少し気になりました。
沙綾についての話
沙綾がこの考え方に至った理由がおたえに対する信頼が足りないからだと思っていて、香澄に対する信頼と他3人に対する信頼にはやはり少し距離を感じました。これはCHiSPA騒動を完全に消化しきれていないからだと思います。
沙綾は元々面倒見の良い性格ですが、お母さんが倒れたことで面倒を見ることが彼女の中で義務となってしまった。そして、他人をよく見る性格が災いして、他人に迷惑をかけることに過度に恐れてしまい、迷惑をかける自分が許せなくなってしまった。結果として他人を信頼することが難しくなってしまった。
そうした気持ちを踏まえると、おたえが抜けたとしても沙綾は文句が言えません。自分が過去に行ってきたことと全く同じことだからです。ではこうした考えから抜けるためにはどうしたらいいか?
それは、沙綾を信頼させてあげることが重要です。沙綾の重い重い最後の扉を開くのはまだ先か…
絶対に一緒に考えてくれるという信頼感。この信頼感が伝わらないと私が面倒を見なくてもいいとは思ってくれません。今は他人に対する全幅の信頼を持つ香澄にしか本当に心を許していないのかもしれませんが、いつしかポピパ全員とキズナを結ぶことができるのか…これからに期待です。
香澄についての話
一方の香澄は、おたえを信頼しているから、おたえの音楽の才能を評価してRASに行くことを薦めた。これは1期の香澄を考えるととてつもない成長です。
ポピパは香澄の言うキラキラドキドキに可能性を感じて集まったバンドです。だから香澄がキラキラドキドキを感じていればそれで良かった。しかし、ポピパがバラバラになる2章を踏まえて、ポピパが本当に大切にしていたことは5人で活動する“今”この瞬間であることが共有されました。これは香澄がポピパの先頭に立っていたからこそ見えづらくなっていたと思うんですよね。
この経験を踏まえて、ポピパが他メンバーにとってどういう居場所になっていたのかを気付くことができたと思います。そしてポピパの目指す夢も変化したのだと考えます。
2期の大部分で比較的香澄が大人しいですが、これは何か自分に問題が起こった時に臆病になる香澄の特徴が表れていたからだと思います。そして、自分が先頭に立つ必要性もなくなったからだと思いました。
香澄は先頭で指示を出し続けるリーダーから4人をまとめる調整役としてのリーダーに変化したのかなと考えました。指示を出し続けるリーダーから降りることができたのは、4人の気持ちに向き合うことができたからだと思います。目指す方向性がCiRCLINGのようなキズナを深めることですから。
そして最後に、おたえを待った2期9話がダメで、おたえを引き留めようとしなかった2期11話が成功した理由…
それはバンドリのテーマが「キズナを深める物語、その手段としての音楽」だと個人的に考えていて、そのテーマ的に音楽に真摯に向き合うことが重要だからだと考えました。歌われるべき歌に失礼だから…