『颯と楓』に纏わる独自ストーリー

 この文章はnayutaさんの『颯と楓』にかこつけた二次創作です。考察や解説のたぐいではありません。

 

 

 「風が吹いたら」を聴いていたときに、“緑に華やぐ キミの姿”の「緑」という表現にビビッときて、もしかしたら楓ちゃんとはnayutaさんなのではないかと感じた。

 

 私にとってnayutaさんのイメージは「蒼のキャンバス」であり、「蒼のキャンバス」とは、幼い頃には“夢のキャンバス”を描いていたnayutaさんが、大人になり夢を描くことが難しくなったものの、後悔をしたくないためにもう一度夢に向かって挑戦する歌だった。夢を描きにくくなった状態が「蒼」であり、「蒼」とは草木が生い茂る様子を表す。だから、楓ちゃんが緑色なのはとても解釈一致である。

 

 楓がnayutaさんなら、颯はなゆふぁんずを想像したい。ここで思い出したいのが、颯と楓の設定である。颯はなぜ“絵を描くことが好き”なのか。「蒼のキャンバス」の歌詞を思い出すと、2番までは歌を届ける相手が“誰か”だったのに対して、決意を固めた後のnayutaさんが歌を届ける相手は“君”だった。つまり、“君”という明確な相手を見つけることができたから、“君”へメロディを届けたいし夢を叶えたいのだ。(それが諦めたくない理由にもなっている) 夢をもう一度描くきっかけが“君”であったことを考えると、颯が“絵(キャンバス)を描くことが好き”なのは、単なる偶然には思えない。

 

 ここまでの妄想が正しかったとすると、「風が吹いたら」の“緑に華やぐ キミの姿”という歌詞が、とても趣深い歌詞に思えてくる。なぜなら、楓にとって「緑」は不幸の象徴であるのだが、颯にはその文脈がわからないので、颯からは彼女の魅力である「緑」が“華や”かで“麗らか”な姿に映っているのだ。本当のところは知りようもないのだが、もし作詞家が狙って表現しているのだとすると、本当に素晴らしい仕事をしてくださったとしか言いようがない。

 

 ちなみに颯がテーマの楽曲には「箱庭」というキーワードもあるが、こちらについてはまだ解釈ができていないので思いついた人はこっそり教えてください。他にも、「風が吹いたら」のMVの楓ちゃんが「緑」の上着の下に「水色(青)」のワンピースを着ていてエモ散らかしているとか、「君を覚えていたい」で「“青い”葉」を描き足しているなど、妄想すると色々と楽しい。

 

 ここまで颯の楽曲について取り上げてきたが、楓のほうも結構おもしろい。楓の“笑うことが苦手”な理由が、“キミの描いた絵の中にいる私が笑えていない”のだからさあ大変。絵≒夢、キミ≒なゆふぁんず とスライドすると、nayutaさんのもどかしさ(あるべき姿と現実のギャップ)が伝わってくる。「蒼のキャンバス」の決意として、例えなゆふぁんずが移り変わったとしても、“キャンバスをめくる”と青い唄を唄うところに希望を感じる。